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□ 著書名        【月の影 影の海(上下)】
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□ ジャンル        ファンタジー
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□ 著者            小野不由美
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□ 出版社        講談社 価格 530円
                        ISBN4-06-255071-7  1992.6.20 274ページ(上)
                        ISBN4-06-255072-5  1992.7.20 256ページ(下)
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「そんなの私に関係ない!」

我が家に「月の影 影の海の(上)だけあったんですけど、さる方から続きをお借りして読み進めております。
NHKのテレビアニメでもやっていて、たまに見たり見なかったりだったのですが、文章で読んだらより理解が深まって、改めて面白い話だったのだなぁ、と思います。
(何故にテレビアニメを見ていたかって、ちょっと自分的に重要な事があってですね…(深くは追求しないでください))

これは十二国記シリーズの第1作です。陽子の成長物語です。
ある日突然、平凡な女子高生、陽子は事情も何もわからぬまま、謎の男ケイキに連れられ見知らぬ国へとたどり着きます。
この「平凡な生活をしている人が突然、異世界へと連れて行かれる」ってのはよくあるお話なのですが、このお話では、行った先の異世界で誰も助けてくれません。
助けてくれないどころか、向こうの人々には騙され、裏切られ、と陽子は散々な目に遭います。
街では異国の人々に追われ、外では妖魔と呼ばれる化け物に追われ、とボロボロになっていきます。
ケイキから宝剣と、体力回復につながる宝珠をもらったりしているのですが、消耗しきった陽子にとってはそれも焼け石に水の状態です。
上巻では、何度となくもうダメか、と思い、何らかの事があって助かり、でもまた酷い目に、という状態が繰り返されます。
これ以上陽子をいじめなくてもよいではないか、などと思ったりして、読み続けるのがちょっと厳しかったです。
しかし、下巻に入ってからは突然サクサクと話が良い方向に進み出します。
後々キーとなる人物の楽俊が登場し、陽子の窮地を救ってくれ、結果的に陽子は慶という国の王となります。
当然、これで終わりではなく、物語はまだまだ続きそうなところで一旦終わります。

なんだかいろいろ思うところがありましたが、これは自分が中高生くらいに読んだら、また違う感想を抱いたかもしれません。
【魔性の子】でも過去の歴史に登場した人物が登場していたりしましたが、このお話でも過去の世界大戦の経験者や、東大の安田講堂事件に関与していたであろう人物が登場します。
このあたりの歴史的な所にちらちらと関連がある人物が登場していたりするのは面白く思いました。

この十二国記。
沢山本が出ていて、壮大なシリーズ物になっているのですが、タイトルごとに完結しているので、どれから読んでも良いそうです。
とりあえずは、この本を貸して下さった方のオススメに従って読んでいきたいと思います。
 

ファンタジーものがお好きな方、十二国記シリーズがお好きな方、小野不由美さんのファンの方におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2004