人は誰も、何かしら異端だ。
幼い頃に神隠しにあったという少年の周りで次々と起こる怪事件を描いたお話です。
「十二国記」シリーズののひとつでもあります。
小説の方はまだ頭のほうしか見てないのですが、TVでやっていたのをたまに見てました。
このお話で描かれていたシーンがあったなぁ、と思い出していました(ちとうろ覚えなのが残念なのですが)
広瀬は教育実習を行うため、母校に戻ります。恩師の後藤と共にクラスを担当します。
そのクラスで、孤立しているしている不思議な生徒・高里と出会います。
何故孤立するかというと、彼をいじめた者は不慮の事故に見せかけられた、「報復」に遭う、と。
それで、「祟る」などと気味悪がられつつ、恐れられています。しかしこれは、高里の意志ではない、と広瀬は考えます。
広瀬は彼をかばおうとしますが、何人も凄惨な「報復」によって命を失います。
ラストに関してはちょっぴり急ぎすぎた感があるというか、僕的には少し拍子抜けでした。もうちょっと手厚く描いてもいいのでは、と思うのでした。
「自分は本当はココに存在してるのは間違ってる。自分にはもっと適した場所があるのではないか」という思い。
まぁ、たしかに思わなくもないけれども、僕にはそういうのなかったなぁ、と振り返ります。
自分の家と生活以外に目を向けられなかった、というのもあるかもしれません。
広瀬は「故国喪失者」という定義を自らに見いだします。
しかし、「本当の世界があるはずだ、という気持ちは、今自分が存在してる世界なんてなくなってしまえばいい、という否定だ」と恩師の後藤に言われてしまいます。
受け止めてみたらなかなか思い言葉で、しかしながら、たしかにその通り、と思います。
ここではないどこかで、自分が生きていける場所があるのでしょうか。
子供の頃はちっとも思いませんでしたが、僕は最近よくそういう事を思うことがあります。
自分のいるところはココではない、と思ったことがある方、十二国記シリーズがお好きな方、小野不由美さんのファンの方におすすめです。