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□ 著書名         【空中ブランコ】
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□ ジャンル        短編小説
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□ 著者            奥田 英朗
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□ 出版社          文藝春秋   価格1238円(税別)
                       ISBN4-16-322870-5   2004.4.25   265ページ
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無駄だって。話して治るなら医者はいらないじゃん。

ちょっと(どころじゃなくてだいぶ)変わった精神科医、伊良部センセのもとにやってくる患者さんとのお話。
短編なのでサクサク読めます。
読後感も大変良く、賞があたったというのも頷ける楽しい本でした。
最近リアルでココロの病の疑いがある自分としては、かなり興味深く読めました。こんなお医者さんがいるなら行ってみたい、などと思うのでした。

ホントに医者なのか、と疑いたくなる伊良部医師。
そもそも真剣に治療するつもりがあるのか、ただ一緒に遊んでいるだけなのか。でも、もしかしたら、ホントに名医なのかもしれません。
患者さんもいろいろです。
パートナーが信頼できなくなって演技が失敗してばかりの空中ブランコ乗り、先端恐怖症のヤクザ、やってはならないことをやりたくなる大学講師、などなど。
このお話で6人の患者さんが出てきます。
どの人の症状も、僕は思い当たりがあったりします。(…いや、さすがにあんなにまでエスカレートはしてませんが)
それぞれのお話の最後は、かならず良い締めくくりになっていて、安心して読むことができます。

ちょっと前にTVでやっていました。うっかり見逃してしまい、ついこの前アレでソレな方法でなんとか視聴することができました。
伊良部センセが阿部寛で、空中ブランコ乗りが堺雅人でした。
(すっかり堺雅人ファンになってしまっている自分としては、なんとしてでも見ておく内容でしたw)
本の内容をうまく組み合わせて2時間の内容にしてありました。
前作にあたる【イン・ザ・プール】は映画化されたとか。ちょっと楽しみです。
 

精神病の疑いのある方、精神病の疑いがない方、奥田英朗さんのファンの方に、おすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2005