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□ 著書名    【東の海神 西の滄海】
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□ ジャンル   ファンタジー
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□ 著者      小野不由美
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□ 出版社     講談社  1994.6.5発行  322ページ
            ISBN4-06-255168-3  610円(税別)
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国がほしいか? ならば、一国をお前にやる。

十二国記シリーズでは第3作です。
貸して頂いた方のオススメの流れということで、【月の影 影の海】の続きとしてこれを読みました。

今回の舞台は雁国。延麒・六太と延王・尚隆が主人公です。
年代的には、陽子が王になる500年ほどさかのぼります。
延麒・六太が王を探し出たところから、雁国で起こった反乱事件を中心にストーリーは展開していきます。
延麒である六太が選んだ王・尚隆は、国の興隆にあまり興味がありません。
のみならず、ちょっと自分勝手が過ぎ、側近などから不興を買っています。一向に側近の声に耳を貸しません。
そんな中、その王に不満を持つ分子が現れます。今で言うところの、クーデターです。

いつも明るく、気軽に暮らしているように見える尚隆と六太。
しかし、彼らには悲しい過去もあり、人が暮らすに当たっての喜びや悲しみをよく知っています。
王や麒麟は責任が重く、気苦労の多い仕事です。もしかしたら、彼らのような性格でないと務まらないのかもしれません。
物語の展開上仕方ないのかもしれませんが、尚隆の何もしないっぷりはちょっとどうかと思いましたが…。
それでも尚隆についていく側近は偉いなぁ、などとしみじみ思ったのでした。
いや、それを惹き付ける尚隆の魅力というのもあるのですが。ここらは理解されるのが難しいところかもしれません。

ところで、十二国記で登場する麒麟が王を選ぶ、というそのシステム。
システム自体も面白いですが、麒麟と王の関係なかなか興味深いものがあります。
僕が住む国ではそういうわけには…いきませんね。仕方ないところです。
 

ファンタジーものがお好きな方、十二国記シリーズがお好きな方、小野不由美さんのファンの方におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2004