こういった所を見て頂けると解るかもしれませんが、僕はクルマが好きです。
運転するのも好きなのですが、残念ながら肝心の運転技量のほどは、まだまだどころか、かなり末熟な部類に入ります。
この本は、ある方がそんな僕に対して、「理論も勉強しなさい」と借してくれた本です。
この本、題名からすでにプレッシャーを感じてしまいます。
しかし、たしかに運転というと実技のみが先行しそうな動きの中には原理や明確な理屈や理論があるはずです。
普段は小難しい単語で普段片づけられている理屈。 この本ではそれを解説しています。
さて、著者の黒澤元治という人物。
知らない人にとっては「このおっちゃん誰?」という具合かもしれませんが(恥ずかしながら僕も最初はそうでした)
クルマの世界ではすごく有名な方です。
ちなみに鈴鹿に行った時、この本の見開きにサインを頂いてしまいました。
それはさておき、この本の面白い所は、この手の本ではありがちの「ヒール&トゥ」などの「技」について非常に理論的に語っている所です。
なぜこの操作が必要か、という事に観点を置いて解説してあった点はすごいと思いました。
予備知識ナシのウチの奥様が読んでも「なるほど」と納得していたのは驚きです。
さすがに少々理屈くさい所もありますが、本人の実戦と経験に裏打ちされた言葉は理解しやすくも、重いものがあります。
コース例と言うことで、鈴鹿サーキット、富士サーキットを例に取って解説してあります。
ちなみに僕も鈴鹿サーキットに行く前に、この本を読んでしっかり頭に叩き込んでいったつもりでしたが、いざ自分のクルマでコーナーが迫ってくると、さっぱりでした。
この著書の内容をしっかりと自分のモノにするには、まだまだ経験を積まねばならないようです。
黒澤氏も「プロレーサーとアマチュアの違いはその経験値にある」と語っておられました。
どんなサーキットでも1000ラップ重ねると、おのずと速くなるとか。
しかし漫然と走るのではなく、考えて走らなければ、という事ですね。
黒澤氏の講義を聴く機会もあったので、興味深く聞いてきましたが、この人はすごく話が上手です。
この本の内容も言葉で触れられていましたが、読んでいるよりも聞いたほうが理解が早かったです。
いや、この本で「予習」していったからかもしれませんが…。
今年で御年62を迎えられるそうですが、自分もその年齢にたどり着いた時に、彼のように情熱を持って生きていたいと思いました。
運転が上手になりたい人、黒澤氏のファンの方、におすすめです。