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□ 著書名    【クロスファイア】
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□ ジャンル   サスペンス
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□ 著者     宮部 みゆき
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□ 出版社     カッパ・ノベルス    1998.10発行
            ISBN4-334-07313-1 (\819)(上)
           ISBN4-334-07314-X (\819)(下)
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宮部みゆきさんの長編小説です。
念力放火能力(パイロキネシス)という「超能力」を持って生まれた、青木淳子という女性が主人公です。
2段組のページ装丁の本で、2冊という長いお話です。
京極夏彦さんの本のように分厚くても1冊に装丁して欲しかった気もしますが…。

「超能力」というものへの現実の存在のあるなしはとりあえず忘れて、念力放火能力(パイロキネシス)という能力が出てきます。
この念力放火能力(パイロキネシス)というのは、思い描くだけで火を操ることができる、という超能力の事だそうです。
火力はすさまじく、人間を焼き殺すことなど造作もないほどの熱量のようです。
個人的には超能力だとかオカルトだとか、そういうジャンルのものは信じないのですが、このお話に関してはすごく楽しめました。
適度なナゾとサスペンスが散りばめられていて、楽しく読み進めていくことができます。

淳子は自分の事を「装填された銃」として、法によって裁かれない悪を滅ぼすべく、日々を生きていきます。
そんな中、「ガーディアン」なる怪しげな団体が登場し…。
何が「悪」で、何が「正義」なのかについて考えさせられます。

このお話は【鳩笛草】の続編になるものです。
【RPG】にも出てくる警視庁の刑事・石津ちか子や、パイロキネシスの実在を唱える牧原刑事などなど、脇役の描き方も秀逸です。

このお話、映像化されています。キャストなどはこちら。
淳子役の矢田亜希子も良かったのですが、石津ちか子役の桃井かおりが良い味を出しておりました。
CGがちょっとしょぼかったり、いろんな意味でちょっと一昔前の気配が漂っておりました…。
しかしながら、原作を詳しく知らなくとも楽しめる映画でありました。
 

勧善懲悪ものに飽きてきている方、超能力に興味がある方、宮部みゆきさんのファンの方におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2005