20世紀にいくつかの「染み」を残した彼らへの、6編の鎮魂歌。
福井さんの短編集。
収録作品は
・いまできる最善のこと ・畳算 ・サクラ ・媽媽 ・断ち切る ・920を待ちながら
…の全6作品
どの作品も例によってアツいお話です。
福井作品としては短編集は初であり、かつての作品というと長編が思い浮かぶのですが、違和感なく読むことができました。
いや、違和感どころか楽しんで読めました。
市ヶ谷・防衛庁情報局のお話です。
どのお話も面白かったですが、「断ち切る」と「920を待ちながら」が特に良かったです。
「断ち切る」では今までの福井作品の「かっこいいおじさん」をちょっと超えた「かっこいいおじいちゃん」の登場でした。
けしてそのような年に思えない、という感じでした。
「920を待ちながら」では【亡国のイージス】のとあるキャラクターが登場します。
そのキャラクタの存在に頼らない話の展開がとても面白かったです。
そのキャラクタが懐かしく、思わず本棚から取り出してきました。
取り出しついでに、ぼちぼち再読にかかりたいと思いました。(劇場公開も近い事でありますし)
アツいお話がお好きな方、短編がお好きな方、福井晴敏さんのファンの方に、おすすめです。