自立と夢を追い求める女たちの人知れぬ心のたたかい。
十五種類のそれぞれ違った職業の女性を主人公にした短編です。
看護婦、体育教師、 専業主婦、女優、秘書、営業部員、フラワーデザイナー、
タイムキーパー、デパート店員、エステティシャン。
そして16話目として手相観(こちらはエッセイとして本業の方に書いていただいたらしいですが)
いろいろな職業の女性達が自立と夢を追い求める心の闘いを描いた小説集です。
しかし、世の中には沢山の仕事があるものだと感心してしまいます。
この本に出てくるお仕事、山本さんが想像で書かれたものもあれば、取材したり資料を調べたり結構手間をかけられたものもあるそうです。
山本さんは、「この本が職業案内みたいなものになるといいな」と語られています。
同じ仕事をずっと繰り返していると、まったく違う仕事をしてみたくなりますね。
「隣の芝生は〜」とは言いますが。
このお話では、沢山の職種、異なったタイプの女性の主人公と周囲の人々との中で、
「あなたの夢はなんですか?」「仕事に満足してますか?」「仕事に誇り、もってますか?」
この3本の柱を共通して語られています。
仕事をするという事は簡単なことではなく、たくさんの問題に向かわないといけません。
人間関係や、予想外のハプニング、そして自分自身のプライド。
働くというのは、単純な話、お金のためでもありますが、お金以外のためにも働く事もあるわけで。
思えば「絶対泣かない」だなんてちょっと肩肘の張ったタイトルですが、困ったことがあったり、くじけそうになった人に読んで欲しいですね。
泣きたいのは自分だけじゃない、だなんて元気がでてくるかもしれません。
絶対泣かない方、よく泣く方、山本文緒さんのファンの方、におすすめです。