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□ 著書名    【私が彼を殺した】
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□ ジャンル   読者参加式推理小説
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□ 著者     東野 圭吾
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□ 出版社     講談社文庫  2002.3.15発行  431ページ
             ISBN4-06-273385-4   695円(税別)
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愛する相手は彼でなくても良かった。
だから彼を殺した犯人も、また誰でもいいのだ。

推理小説なのですが、この作品は最後まで読んでも犯人が明かされないという、一風変わった作品です。

内容は、
流行作家である穂高誠が、自分の結婚式で死んだ。
死因は毒物の硝酸ストリキニーネによる中毒死。容疑者は3人。
「神林貴弘」「駿河直之」「雪笹香織」
それぞれ穂高を殺害する動機も機会もある。さて、犯人は?
…と言った感じです。
なんでもこのお話は「読者は本当に推理小説を推理をしながら読んでいるのか?」 という作者の疑問のもとに世に出された作品であるとか。
読者への挑戦という事ですね。

解決編というわけではありませんが、解説がてら袋とじがついています。
答えを示唆した事は書いてありますが、はっきりと「誰々が犯人」と書いてあるわけでもなく。
僕は推理小説は苦手ですが、袋とじを開ける前に真犯人は誰か考えてみました。
確実とは言えませんが、犯人は当たっているみたいです。
トリックに関してはちょっと的を外してしまったようですが。
推理やトリックもともかく、各人の視点ですすめられる章構成や内心の書き方、なかなか面白いものがありました。
 
 

推理小説がお好きな方、殺したい相手がいる方、人に恨まれる事をしている方、におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2004