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□ 著書名 【江國香織とっておき作品集】
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□ ジャンル 短編集
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□ 著者 江國 香織
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□ 出版社 マガジンハウス 2001.8.25発行
ISBN4-8387-1308-8 1300円(税別)
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短編小説、中編小説、童話、インタビュー、エッセイなどなどいろいろな作品が詰められています。
なにやら、単行本未収録作が多いそうで。
今までの小説では見られない、独特の江國ワールドが展開されています。
「せいたくな」と表紙にもありますが、たしかにぜいたくな取り合わせですね。
しかし、それだけに完全に江國さんファン向けの本となっています。
ちとマニアックな本でもあるかと思います。
デビュー作「409ラトクリフ」も収められています。
僕はこれを何かでちぎれちぎれに読んだ事があったのですが、すべてを通して読めてよかったです。
童話では、「があこちゃん」が面白かったです。
なにげに怖いお話なのですが、それがとっても「その手の絵本」っぽくて良いです。
そういえば、ビートルズの詩を訳しておらえるところがあったりして、ちょっと気になってしまいました。
今は亡き、お父さんの江國滋さんが日記調で書いておられた「香織の記録」というものも掲載されています。
娘へ対する愛情と、コトバへのこだわりひしひしと伝わってきます。
もうひとつ、妹さんの晴子さんの「夢日記」も載っています。
姉が昔から良く泣く人だったらしいこと、それも恐ろしい夢を見る度に、晴子さんを起こして、さめざめと泣く事がある事とか。
…江國さん。それはちょっとメイワクかも…。
ところで、よくある、こういった「家族ぐるみの作品」というのはちょっとイタいものを感じるのですが、この本に関してはそんなに思いませんでした。
江國家の非凡さを感じた一面でもありました。
折々にあるイラストも綺麗です。 山本容子さんなど、著名な方がを描いておられます。
山本容子さんと言えば、内田春菊さんの本の表紙も書いておられましたね。
江國香織さんが好きな方におすすめです。