===========================================================
□ 著書名         【チーズはどこへ消えた?】
-----------------------------------------------------------
□ ジャンル        ビジネス書
-----------------------------------------------------------
□ 著者             スペンサー・ジョンソン(門田 美鈴 訳)
-----------------------------------------------------------
□ 出版社      扶桑社    2000.11.30初版
            ISBN 4-594-03019-X     838円(税別)
===========================================================

「この物語があなたの人生を変える! 人間関係、恋愛、結婚、友人、家族・・・この1冊が、世界中の読者の生き方を変えています」

↑こんな風に、ちょっと怪しげな事が帯に書いてあります。
僕は、ポジティブシンキングといいますか、この手のジャンルの本はどーもうさんくさいイメージが抜けないので、なかなか読む機会がありませんでした。

しかし、ある会社が教育の一環としてこの本が貸し出していたので、薄っぺらい本ですし、すぐ読み終えるだろうと思って僕も借りて読んでみました。
そういえば、IBM、アップル・コンピュータなどのいわゆるトップ企業も社員教育に採用したとか。
話題の本ではあったので、一度読んでみたいような気はしていたんです。

読み終わってみると、なかなかなるほどと思いました。
だからといって、明日から急に僕の人生がサクっと変わるわけでもありませんし、正直この本の話の進み方にはイライラしてしまうところもありましたが、僕みたいにこういった本を敬遠してきた人間こそ、この本を読んだ方がいいのかもしれない、と思いました。
この本を貸しだしている会社が、その社員たちに読ませたいという意図もなんとなく分かりますし、今、自分が勤めている会社でもこういった本を貸し出すといいかもしれないと思いました。
…いや、この本の最初のあたりで語られているところを見てみると、自分が勤めている会社の人たちには必要ないかもしれませんね。

それはさておき、内容からすこしだけ。お話は童話調に話は進んでいきます。
迷路のなかに住む、2匹のネズミと2人の小人。
彼らは迷路の中でチーズを発見するところから始まります。
ちなみにこの物語でのチーズとは、食べ物という意味合いだけではなく、人生において私たちが追い求めるもののシンボルと置き換えて考えます。
チーズがそこにあるという事実に満足し、少しずつなくなっていく事に気付かず二人と2匹は暮らし続けます。
もちろんそこにあるチーズは無限にあるものではないわけで、あっさりとチーズはなくなります。
ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していきますが、小人たちは、チーズが「戻って来るかも知れない」と思ったりして、無為に時間を過ごします。
「外にでたらチーズがあるかもしれない」
二人いるうちの片方の小人がその事実に気付き、新たなチーズを求めて旅立つ…といった感じで進んでいくお話です。

これだけでは訳が分かりませんが、「チーズ」を求めてさまざまな行動を起すというところがポイントです。
単純なストーリーの中に、状況の急激な変化にいかに対処すべきか、またどうあるべきか、という人生の問題解決法が見え隠れしています。
あまり説教くさく聞こえないところもよいところだと思います。
それと気にとめなかったら普通の童話にも見えるかもしれません。

ちまたでは、この「チーズ本」と似たような装丁やタイトルでの本がたくさんでていますが、それらも面白いかもしれません。
ちょっとだけ気になりました。
 
 

自己啓発したい方、変化を嫌う方、自分の「チーズ」を持っている方におすすめです。
 

(「本のお話」に戻る)

(トップページに戻る)


Copyright(C) Nobuhiko Takano 2005