書店でこの漫画を見たことはありましたが、なんとなく手を出せずにいました。
そんな中、さるお友達に全巻貸して頂ける機会があり、全館通して読んでみました。
主人公の環倫一郎(名字は「たまき」と読みます。我が細君は「かんりん いちろう」だと思っていたそうですが)は交通事故鑑定人。
あまり耳慣れない職業ですが、交通事故の原因をあらゆる角度から観察・推理・実証する、というものです。
この漫画はフィクションが多いそうですが、実際に起こった事故をモデルとして、構成されているそうです。
若干誇張表現が多かったりする所もありますが、素直に車社会で生きる人の参考になります。
事故には沢山の原因があり、しかし、防ぐ手だても沢山存在するという事が解ります。
残念なことに、この話のモデルとも言える存在の監修の江守氏は連載途中に故人となられます。
漫画として成り立たなくなるのかと心配しましたが、沢山の凡例があったらしく、鑑定のネタには事欠きません。
作者達の予定より長く連載されたらしく、終盤はちょっと微妙な展開です。
たしかにずーっと事故鑑定の漫画にしているとダレてしまうでしょうし、地味すぎるかもしれません。
しかし、ちょっと最後のあたりはちょっぴりやりすぎではないか、と思ってしまいます。
外国のクルマばっかりと思いきや、多数の日本車も登場し、楽しませてくれます。
余談ですが、S2000も悪役として登場します。
オーナーにしか解らなさそうな所まで書き込まれていたりして、かなり綿密に書かれていました。
賛否両論あるかもしれませんが、作画の画力は高いと感じました。
クルマがお好きな方、交通事故の経験がある方、交通事故の経験がない方、におすすめです。