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□ 著書名    【シュガ一レス・ラブ】
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□ ジャンル   短編集
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□ 著者     山本 文緒
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□ 出版社     講談社文庫  2002.3.15発行  271ページ
             ISBN4-08-747204-3  457円(税別)
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具合はどうですか。

病気をテーマにした短編集です。

某所での紹介文の一部から頂いてくると、

愛・仕事・家庭・人間関係でのストレスから様々な病気に蝕まれていく女性たちが立ち直っていく姿を描いた10話。
短時間、正座しただけで骨折してしまう「骨粗鬆症」。
恋人からの電話を待って夜も眠れない「睡眠障害」。

他に「アトピー性皮膚炎」「便秘」「肥満」「自律神経失調症」などが取り上げられています。

さて、このお話に出てくる主人公達は「ちょっと悪いこと」をしていたりします。
主人公ではなく、相手が悪いといったようなケースで、例外もありますが。
どちらにせよ、ささいな事です。たいした悪事じゃありません。
(…と最近不倫などをこう表現できるようになった自分に驚いてしまいますが)
こんな事で自分の健康を損ねてはいけない、と思います。むしろ楽しむべきかと。

ところで、このお話にでてくる病。
女性特有の病のように言われがちな病名が多いですが、これらの多くは男である僕にも起こりうる可能性十分にある病でもあります。
幸い現在の僕は心身ともに健康ですが、いつ病にかかってしまうか解りません。
この本を読んで、気を付けよう、だなんて思うのでした。

病気というのは、遠いところにいるように見えて、どれも僕たちの身近なところにあるのかもしれません。
どんな病も、精神的な影響を受けている事が多いように思えてなりません。
もちろん遺伝性のものなど、避けようがないものもありますが、病気の多くは精神的な問題もあるのではないか、と。
「病は気から」だなんて言いますが、これはあながち嘘ではないのではないか、などと思います。

「過剰愛情失調症」も気になったのですが、アルコール依存症の女子高生がでてくる「夏の空色」が一番興味深く読めました。
 

不健康な方、病気に縁のない方、山本文緒さんのファンの方、におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2004