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□ 著書名         【切ない…。】
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□ ジャンル       カウンセラー小説
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□ 著者            香山 リカ
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□ 出版社     青春出版社 2002.11.10発行 205ページ
           ISBN4-413-07082-8 1100円(税別)
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自分の中にある感情に気づくこと

メディア等でも良くお見かけする香山さんの小説です。
カウンセリングルームのやりとりを小説化されています。
事実をもとに書かれている事もあり、リアリティあふれるお話ばかりでした。

いつも不安で仕方がない/ずっとこのままだと…/だれもわかってくれない退屈な生活を変えたい
突然、理由もなく彼が…/友だちに嫉妬してしまう/期待に応え続けてきた私/それでも満たされない心/こんなにがんばってきたのだから
何をやっても続かない/このまま流されてしまう/「これが私」というものを持ちたい
大切な人を傷つけてしまった/救われたい願望/魅力ある本当の自分への旅
あの頃の私は…/ずっと感情を押し殺してきて/思い切り泣いたり笑ったり/私を必要としてくれている人へ/わがままな自分になりたい/カウンセリングルームの扉が開いて

以上のお話が5章に分かれています。
基本的に女性向けのお話が多く、自分に関わりがない、と思いきや、僕としては身に覚えのあることも多数でありました。
「ああ、それわかる!」というのも多く、自分としてはなかなか読み応えのある本でした。
「勝った、負けた」の発想や「相手の期待」などというのは身に覚えのあるお話です。
思えば、悩みに男女の差はないかもしれません。

ちょうど香山さんの講演を聴く機会がありまして、聞いてきました。
お題は鬱病について、でして、「鬱は誰にでもある」から始まって治すところまでお話で聞いてきました。
鬱な時は重要な決定をしてはいけない、鬱は必ず治る、鬱になることによって人格が大きく成長する、などなど。
心と体が疲れ始めたら鬱になりやすいらしく、治すには休養と薬が必要、との事。
精神科医の処方する薬、などと聞いたら僕などはすごく構えちゃうのですが、依存症等もないものが多く、大丈夫だとか。
仮に自分が鬱状態になっても、精神科医に行くのはちょっと…と思ってしまいます。
しかし、このお話にでてくる人々のようにカウンセリングルームの扉を叩く日がくるかもしれません。
 

精神科医に行くことがある方、精神科医に行く事はない人、香山リカさんのファンの方、におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2005