過ちや悲劇を重ねながら、それでも続く未来。
現代の自衛隊が戦国時代にタイムスリップした、というお話。
映画の原作でありまして、映画とほぼ同じ展開です。
映画はたしかにキャストも素敵でしたし、映像もそれなりに良かったのですが、僕としてはやはり小説版のほうが楽しめました。
映画にあった、無理に親子情らしきものを訴えようとしたところ(僕的には蛇足と思うシーンでした)や、個人的に「???」と思ったところについても、しっかり説明してあったりするのが特に良かったです。
また、人物の心の機微は小説版の描写にはかないません。
しかしながら、そう思えば、映画は映画なりにしっかり頑張っていたのかもしれませんね。
「海兵旅団」という単語と、「的場」という姓になんだか記憶が、と思ったらずいぶん前に読んだ【TwelveY.O.】に登場しておりました。
遊びと言ってしまえばそれまでですが、こういうリンクが楽しいと思いました。
福井作品を全部読んでいく事を決意した自分としては、こういうリンクを探していきたいと思いました。
この本、A5版(文庫本を二冊並べた大きさですね)の用紙を横に開いて読むタイプです。
原作本の発売のニュースを聞いた時、これは文庫になったら買おうかな、とか思ったりしていましたが、書店で見かけた本の装丁に惹かれて即購入(笑)
また、挿絵も素敵です。
物語がクライマックスになったあたりで文字が白黒反転しちゃっているところがあるのですが、少しだけ読みづらいまぁ、と思いました。
でも、絵本みたいでちょっと良いかな、と思ったり。
映画を見てこられた方、映画に興味がある方、アツいお話がお好きな方、福井晴敏さんのファンの方に、おすすめです。