○ はじめに
いきなりですけど、買っちゃいました。ホンダS2000。
我が家の経済状況とかいろいろ考えてみると、阿呆な買い物だったかもしれません。
たしかに値段的にけっしてお安くはない買い物です。車両本体もともかく、諸費用などを込み込みにするとちょっと驚く価格になります。
しかし、欲しかった。マジで欲しかったんです。
…というのも、結婚前から奥様と「二人で一度、2シーターのオープンカーに乗りたいね!」という話をしていたんです。
僕たちが結婚したころに丁度、S2000の発表がありまして、欲しいなぁ、とは思っていました。
もっとも、ホントはS2000とは違ったクルマを買うはずだったんですが、結婚したり、家を買っちゃった、とかの諸事情により、しばらくお流れになっていました。
予算の兼ね合いもありますし、「じゃ、一年待って様子を見てみよう」という話で、一年間待ってみました。
「…我々は1年待ったのだ!!」(それを言うなら3年?)っていう奴ですね。
カテゴリーが同じクルマ、違うクルマ、たくさんの車種の事について考えましたが、いろいろありましてS2000を選択しました。
面白いことに、S2000には「縁」のようなモノがありまして…。
一時期あきらめていたところに「良い話」があったので、悩みながらも購入の決断をしました。
そういえば、買おうかどうしようかと思っている時に、友達に「そんなに悩むくらいなら買っちゃえば」、などと背中を押されたり。
いや、あれは押されにいったのかもしれませんね。
この間、いろいろありましたし、たくさんお方にご迷惑をおかけいたしました。
あと、ごく身近なお知り合いの方と同じクルマということで、カブってしまう、とちょっとイヤな事もありますが、それはそれ。
あんまし考えないことにします。
…もっとも、僕よりカブった相手の方が嫌がっていると思いますが。
買ってしまっての今だから思える事なのかもしれませんが、「買って良かった」って気持ちでいっぱいです。
これが「所有する喜び」って奴なのでしょうか。
とりあえず、いろいろと思いつくことを書いてみようかと思います。
○ 世の中の評価は?
「岡崎五朗のホンダフル・エッセイ」ではこんな風に語られています。
もうひとつ、とある雑誌からの引用。
ホンダが1999年4月15日から発売を開始した、FR方式の2シーターオープンスポーツカー。
そのデザインやコンセプトが本田技研工業創立50周年記念日である9月24日に発表されて以来、かなりの注目を集めていたモデル。
長年頑固にFFにこだわり続けてきたホンダがついにFRスポーツの世界に進出した。
それも驚くほどの性能を盛り込み、しかも、オープンというパッケージングで登場させた。
ここ数十年、かたくなまでに FRという駆動方式に背を向け、FFに生きてきたホンダがS2000というFRスポーツモデルを誕生させたことは大きな転換期を迎えたことを意味している。
直列4気筒DOHC・VTECユニットは2リットルの排気量から250psという、途方もないパワーを炸裂させる。
最大トルクは22.2kg-mに達し、NAであることを考えれば常識を超えたスペックといえる。
また、エンジンの始動からして刺激的なものである。
キーを捻る必要はなく、イクニッションをオンにしてから、
その横にあるスタートボタンをプッシュする。
あたかもレーシングエンジンの始動作業のやり方である。
ほとんど荷物が積めないことが気になるが、純粋に
オープンスポーツカーを楽しみたい人にとってはいいと思う。
今度はとあるWEBサイトから。
ホンダの独創性と体質を知っていれば、かつてのS600やS800で味わった感触、感動を今一度と思うはずだ。
それほどホンダの“S伝説”はインパクトが強烈だったし、すばらしかった。そしてここに“S伝説”の復活。
S2000という時代をリードするオープンスポーツカーが、これまでの常識を塗り変えた。
このS2000、メカもマインドも走行フィールも、世界の頂点に立つスポーツカーと断言しよう。
まして、低公害・省燃費・新骨格安全ボディを併せ持つというから信じられない。“ファンタスティック!”思いっきり走っての第一声はこれしかない。
S600やS800を知るレポーターとしては、正直いってS2000には懐疑的だった。
よほどの独創性と常識を越えるテクノロジーが生かされていなければ、話にならない。
でなければ、“S”に対してのこれまでのロマンが台なしになってしまうのだから。いつも以上にシビアな目でS2000に接したことはいうまでもない。
にもかかわらず、S2000にはまったくがっかりさせられるところがなかった。すべてがサイコー!なのだ。
まず、VTEC・DOHCエンジン。フリクションロスを徹底的に抑えた結果、1997ccでありながら最高250ps/8300rpmを達成。
ということは、NAでありながらリッター当たり125馬力。でも本当に価値があるのは扱いやすさと切れ味を併せ持つこと。それも高い次元で。
具体的に言えば、低速域でのフレキシビリティと、6500回転を超えてからの高まりに驚かされ、さらに9000回転まで一気という切れ味にはマイッタ。
こんなエンジンは、ノーマルとしては考えられない。しかも、平成12年排ガス規制最初の適合車で、同年の規制値を50%以上下回るというのだからビックリ。
さらに、10・15モード走行では12.0km/リットルという省燃費というのだから出る言葉なし。S2000とは、まるで異次元のスポーツカーでもあるようだ。
でもホントにすばらしいのは、すべてにおいて自然体の走行フィール。エンジンはレスポンス抜群で、官能的ですらある。
操作感が最高のローギヤード、クロスレシオの6速MTとのマッチングは完璧。理屈ぬきに、最上、好感度ナンバーワンの走りが楽しめる。
まして、フットワークは言うことなし。際立ったFRスポーツならではの自然体、クイックかつ正確無比なハンドリングにホレボレさせられる。
ロードスターでこれほどボディ剛性がしっかりしているケースを知らないし、思いっきりサーキットを走って何の不足も感じさせないノーマルスポーツカーも知らない。
ロールが小さく安定感抜群、それでいてクイックな身のこなしを併せ持ち、耐フェード性と制動力/効き味抜群のブレーキ性能を備えるというのだからすごい。
ボディ剛性はとにかく申し分なく、乗り心地まで上質というのだから、もう言うことなしだ。
ドライバビリティはあらゆる走行条件下で「優」。
市街地はもとより、山道、高速、そして底知れないのはサーキットでの次元の違うフル走行で存分に楽しませてくれる実力だ。
サーキットをめいっぱい走っても、何の不足も感じさせないのがS2000。こんなロードスターは見たことも体感したこともない。
1周ごとにペースアップ、本気で攻めても攻めがいがあるというところに奥の深さがある。
…なんていう風に書かれています。勝手に転載しちゃいましたけど。
話題性の高さ。…たしかにプレイステーションのグランツーリスモ2の表紙も飾ったりしてたのは記憶に新しいところです。
…と、ココまで来たら今度は専門家(?)の評論も気になるところですが、
←こんなのとか
←こんなのによりますと。
徳大寺氏 … 「世界的に見わたしても、このクルマの敵はない」
三本氏 … 「必要もないのにギアチェンジして、エンジンの音を楽しみながら走るようなドライバーにはうってつけのクルマである。」
…だそうです。
ジャグワだかメルツェデスだか知りませんが、日常から外車とかを乗り回している人のコトバだけに、そのまま鵜呑みに信じることはできないのですが…。
のぶひこ的には、てっきりめちゃくちゃに言うと思っていた徳大寺氏がS2000に対してかなり肯定的に書いていたのが印象的でした。
誉めてあるのはいつもいっしょの内容で、
ボディ剛性が高く、前後の重量配分が50対50で、バランスがとても優れている。
ですとか、
F20Cエンジンは環境問題への配慮と高出力の発生を両立させていてスゴい。
ですとか。どこを見ても同じ事が書かれています。
当然といえば当然のところなので、誉められるのは良いとして、今度はけなされるケース。
ある程度想像はしていましたが、やられちゃうときには、かなり徹底的にやられます。
まずは「マガジンX」なる雑誌の「ざ・総括」では、それはもうめちゃくちゃに言われています。
ちなみにこの雑誌のこのコーナー、読むたびに屁理屈をこねるコメンテーターに思わず殺意を感じたりするのですが…
かつて3年前にホンダ・ロゴに関してもなかなか手酷い事を言ってくださったことも、忘れ得ぬ事です。
…ま、それはおいといて、一般的な雑誌には
オープンカーなのかグランドツーリングカーなのかわからない中途半端なポジションのクルマ
ですとか、
あの内容であの値段はあまりに高すぎる (転じて内装がボロいと言う意)
ホンダオタク向けのクルマであって、けっして一般の人向けのクルマではない
…などなど。
これらはあげればキリがないですね。
ま、世の中すべからく、良いことを言う人がいれば悪いことを言う人ももちろんいるわけでして、S2000というのものは特にアンチホンダな人にはけっして好意的にとらえられるわけもないでしょう。
そのあたりは人それぞれ、でしょうか。
口の悪い僕に言わせると、それらはすべてS2000というものへの嫉妬と僻みにすぎないかと。
他メーカでは、これほど拘ったクルマ作りは難しいでしょう。
僕個人が思うのは、なんといっても「自分の好きなクルマ」が「自分にとって最高のクルマ」だと思います。
人それぞれ。それでいいじゃないですか。
ユーザーのニーズをつかもうと、各自動車メーカーが躍起になって素晴らしいクルマをたくさんリリースしています。
他人のクルマをけなしたりするヒマがあったら、自分の乗っているクルマのことを誉めてやったほうが良いと思うのですが…。
長所と短所。
一見すると矛盾する点ですが、何もクルマだけに当てはまることではないと思います。
評価を下すと言うことに、盲目にだけはなりたくないものです。
ちょいと話は横道にそれますが、「万人が良いと認めるクルマ」というものが世の中にあるのなら見てみたいものです。
・・・とりあえず僕は見たことがありません。
○ のぶひこ号について
このあたりでインプレッションってわけではないですが、のぶひこ号について書いてみます。
ボディカラーは?
赤です。ちょっと「いかにも」なんですけど、オープンカーという非日常を演出するものだけに、この色をチョイスしてみました。
もとより赤色のボディカラーのクルマを一度乗ってみたかったですし。
ちなみにS2000の出荷台数の中では赤色は多いほうではないらしいので、ちょっと気に入っています。
希望ナンバー?
ナンバーは「722」です。
あちこちで散々に言われているので回答を。 我が奥様の誕生日です。はい。
普通なら許して当たらないであろうこのクルマの購入に際して、一番の理解と応援をしてくれた彼女への感謝の意味も込めて、です。
(某所からは新たなイヤガラセだというツッコミも頂いておりますが、そんなことはありませんよ。…たぶん。)
○ …で、のぶひこの思うこと
「21世紀に向けたホンダのシンボル」だとかメディアでは大仰な事もイロイロ言われているS2000ですが、のぶひこ的に思ったことを少々。
今更メディアであれこれ突っ込まれていることを否定はしませんが、あくまで自分的に思うことをあげていきます。
乗ってみて?
まずは、S2000って普通に乗っている限り、全然「特異」なクルマではありません。
「あのクルマ屋根がないよ〜 BY 近所のお子さま(ホントに指さされて言われました)」ということ以外の話で、エンジンの回転を上まで回したりしない限り、ホント「ふつーのクルマ」です。
RX−7やスカイラインのように、運転してるだけでも「スポーツカー」なプレッシャーのようなものをひしひし感じることも全然ないですし。
街乗りは非常に楽なものです。
意外と柔らかいサスペンション
「スポーツカー = がちがちに硬い足回り」みたいな妙な定義が世の中にあるそうですが、このクルマの足回りは想像より意外としなやかです。
いや、だからといってけっして柔いとはいえませんが。
路面のインフォメーションはしっかりと伝えながらも、ゴツゴツとした感触はそれほどなくしっとりとしているという感じ。
ちなみにステアリングの反応は思ったよりも早く、ほどよいサスペンションと相まって、目で見たラインをぴったりとトレースしていけるような気がします。
おかしくない?
のぶひこ的に疑問に思ったことが一つだけ。
メディアでも触れらえていますが、幌に関してです。
技術的にはエンジンといいシャーシといい、現在の技術の結晶のようなクルマなんでしょうけど、何故に電動幌を採用したんでしょう?
単純に考えて、車重の増加に繋がるのでは?
いや、雨が降り出した瞬間に信号待ちとかでとっとと閉めたりできて実は便利といえば便利なのですけど。
まぁ、我が家では基本的には週末車として晴れの時にしか外に出さないつもりでいるので、あまり幌のお世話にならないとは思うのですけど。
…とかいって不幸にも納車直後にさっそく雨降りに遭いました。
○ 最後に
← こんな景色も見れます
ともかく、大切に乗りたいと思います。
モディファイのほうですが、ロゴの時と同じで、とりあえず納得いくまでノーマルのままに乗って、不満点はそれ以降に一個ずつ解消していきたいと思います。
このクルマに関しては、細かなパーツのひとつひとつから、何もかもが開発者の方が思い悩ませて設計されているはずです。
「メーカーの黄金比」を崩さないように、少しづつステップアップさせていきたいと思っています。
基本的には奥様との日曜もしくは平日の早朝、深夜のドライブにしか使う予定はありません。
2シーターだけに彼女と二人で乗ろう、ってことで、たぶん一人では乗らないでしょうね。
よって、通勤に使うつもりもありません。
皆様の前に現れるときは、おそらく我が家のもう一台のクルマ、ロゴかと思われます。あしからず。