♪名も知らぬ、遠き島より
例によって非常に濃いお話です。
また、文庫で4冊、総数1500ページ以上というボリューム。
Webを眺めていたら、この人の文章が読みづらいと思う人も多いそうです。
確かに僕も完全に得意とは言い切れない状態で、読み進めるのに結構時間がかかってしまいました。
太平洋戦争時代のお話なんですが、架空戦記モノということで。
ストーリのほうは、ちょびっと荒唐無稽なお話です。
どのへんが、とか書きたいのですが、ネタバレになるのでここらは避けておきましょう。
そうしたらどこも書けやしませんが。
複線というか、やや余計と感じてしまうエピソードがあるのは否めません。
人物の背景描写などについて賛否両論あるかと思いますが、僕は好みです。
正直なところ、他の本とかでも「これは蛇足では?」などと思う部分が結構あったんですが、これを知ってこそ楽しめる所もある、と思えるようになりました。
二度目はちょっと時間をおいてから読むことにしようと思っております。
戦史上有名な場所など、いろんな場所がでてきます。
ちょびっとだけですが、行ってみたくなりました。
そういえば一巻でほんのちょっとですが「富山湾」が出てたのが、なんだかうれしかったり。
このお話、映画化されています。
実は原作を読まず映画のほうを先に見てしまいました(あまつさえ特典に釣られちゃってDVDまで買っちゃいました)
原作を読み終えてから知ったのですが、映画と原作は内容が結構違っているのですね。
フリッツの存在の有無によって、だいぶ違う感じがしますね。
また、ともすれば割りとお気楽な雰囲気が漂う(と思うのは僕だけでしょうか)映画に比べると原作のほうが硬質でリアルを感じました。
(・・・とはいえ、映画は映画でよかったと思っています)
エンディングについても原作のほうが俄然良かったです。
もしこの映像を見てこの作品に興味を持たれた方は原作も読んで欲しいものです。
歴史物が好きな方(その場合、架空戦記モノでも寛容に許してくださること)、福井晴敏さんのファンの方に、おすすめです。