私たちは天使だ!!
「動物のお医者さん」と同じ作者、佐々木倫子さんによるもので、相変わらず登場するキャラクターは強烈なものになっています。
週刊ビッグスピリッツに不定期で連載されていた漫画です。
連載時には気づかなかったことですが、単行本で通して読んでみたらちょっと中身が少なく感じてしまいました。
漫画本の割に、単行本がお高いような気がしますが、内容を見たら納得できるような出来ないような・・・。
装丁も凝ってますし、仕方ないといえば仕方ないかもしれません。
内容は「ナース」という言葉が題名に入っていることからも想像できるかもしれませんが、看護婦さんの生活の実態(?)を描いた漫画です。
僕の知人で病院のお仕事をしている人がいるのですが、彼女曰く「ホントのナースの仕事はこんなにドラマチックではない」だそうで。
ま、それはおいといて…
このお話の主人公は、似鳥ユキエという新米看護婦です。
ドジ、ズボラ、大胆、短気、楽天的と、看護婦としては空恐ろしい性格の持ち主ですが、一方で、熱血漢で、情熱的で、思いやりにあふれるという良い点も持ちあわせています。
この個性的な主人公を中心に、看護婦さんの私生活といった軽い話題から、終末医療問題、ボケ、ガン告知問題のような重い話題まで、実に幅広く描かれています。
しかもそれらの重たい話題もしっかり受け止めつつ、楽しく読めるようになっています。
「白衣の天使」のイメージな看護婦さん、良い意味でも悪い意味でも、それだけではない、という事を上手に描いてあると思います。
ガン告知を迫る患者、「病院支配」を目指す番長患者、治療方針を守ろうとしない患者、ナンパ狂患者、などなど患者さんも実に個性的です。
若干誇張されている気がしますが、実は現実にいそうな気もしたり。
笑えるところもあり、たまにホロリとさせられるところもあって、読みどころは随所にあります。
医療関係のお仕事をしている方、ナースに憧れた事がある方、佐々木倫子さんのファンの方におすすめです。
#ところで、現在佐々木さんは「Heaven?」なるレストランを描いたマンガを書いておられます。
限定版とかで、ミトンがついてきました。(凝った事に、マンガ内のレストランのロゴ入り)
使うのがなんだかもったいないですが…。