こんな男に誰がした。
脚本家・三谷幸喜さんのエッセイです。
有名なところで古畑任三郎シリーズ、現在はNHKの大河ドラマ「新撰組!」の脚本を書いていらっしゃいます。
ご本人が面白い方だというのは「気まずい二人」で十分伝わっていたのですが、この本でその思いは更に強くなりました。
面白いというより、ちょっと変わった人でもあるかもしれません。
いや、僕はすごく好きなんですけど。
ホテルで泡風呂につかり、 泡のついた体を鏡に写してみたり、コンビニの意地悪なウェイトレスにいやがらせをしたり。
「ああ、もう、この人は…」と思うエピソードがたくさんです。
僕にもそういう面があるのか、笑いながらも「ああ、そういうことあるなぁ」と思うことが多いです。
(まぁ僕は彼よりも更に更に小心者なので、そのほとんどを実行しませんが)
そのエピソードの一つとして、彼は平積みの本に荷物を置く人が信じられない、と語ります。
僕もまったく同感で、これはかつて本屋のバイト時代から思っていた事です。荷物は足下に置け、と思います。
そんな事に対して、彼はなんとも大胆な解決を試みるのですが…。
(どのような事をするのか、説明は割愛します。気になった人はこの本を読んでみて下さい)
もしいちいちそれを実践してたら、変な人では済まないような気もするのですが、ちょっと変わった彼の事でしょうから大丈夫なのでしょう。
風貌その他も大きな条件なのかもしれません。
僕の友人で何をしても挙動不審なしぐさを見せてくれる人がいますが、どうしてか彼の姿がフラッシュバックするのでした。
ところで、「几帳面かつ小心者、でも意地悪」という一見矛盾しそうなところが彼の性格だそうです。
真面目な文体でおかしな事が書きつつ、そういう冷静な分析が入っているのがおかしくて。
ちょっと笑いたい時に読んだら良い本かもしれません。
ただし、笑うには人を選ぶかもしれませんが。
小心者の方、小心者でない方、三谷作品のファンの方におすすめです。