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□ 著書名      【おひさまのブランケット】
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□ ジャンル     恋愛小説
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□ 著者        山本 文緒
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□ 出版社   集英社文庫  1994.08.10初版  350P
          ISBN4-08-747083-0  495円
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おとなの仮面をかぶっていても、みんな、おひさまの下では子供に戻ってしまうのかもしれない。

読み出したらすぐに解りますが、集英社コバルト文庫の復刻版です。

幼なじみの野々子と周太郎。
にくまれ口もたたくけど、互いになくてはならない存在。
高校野球からプロ入りした周太郎を追って野々子は上京するが、ふたりの仲はプラトニックなまま。
そこに割って入ったのが不良高校生の実衣子。
ところが、その実衣子と野々子の間に女同士の友情が生まれて。
恋と友情のトライアングルの行方は?……といった感じのお話です。

高校球児の周太郎と幼なじみの彼女、野々子。夏の甲子園で周太郎をテレビで見て惚れてしまったという美衣子。
この三人の三角関係が面白く描かれています。
野球と恋愛ということで、あだち充さんの漫画を思い出してみたり。

正直、読み進めるのがちょっと恥ずかしい青春小説です。
少女漫画的というか、ターゲット層が別なのでこういったスタンスなのですが「恋愛と友情、どちらが大切」と言った具合で。
しかしこのテーマは姿形を変えて、ずっとつきまとうお話ではあります。

ちなみに山本さんの処女作「プレミアム・ブルーの日々」も一緒になっています。
また、「歩留まり作家への道」という巻末エッセイで処女作を執筆したときの様子や、一般文芸小説へ移行した著者の心境なども読めます。
こちらはこちらで興味深く読むことができました。
 

コバルト文庫の路線がお好きな方、少女漫画が好きな方、山本文緒さんのファンの方におすすめです。
 

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Copyright(C) Nobuhiko Takano 2004