想いは、言葉にしないと通じない。
再読です。
前に読んだ時と現在では学生と社会人という大きな差があるからか、感想がものすごく変わったのに驚きました。
当時、洋楽にはまったく興味がなく(現在でも明るいほうではありませんが)この作品を読んで「ノルウェイの森」とはどういう音楽か、と聞いてみたことがあるのを思い出したり。
あるお友達はこのお話を「青春小説」と言い、ある方は「まったくわからないお話だ」と言われるのを聞きました。
内容としてはワタナベなる学生を軸に、その周囲の人々との生活を描いたお話です。
今回のこのページでは、ストーリについてはまったく触れない事にします。
人は歳を取るごとに、かなしいこと、理不尽なこと、いろいろな周囲の事にまきこまれていく訳ですが、このお話を読むたびにそういう事をいまさらのように考えてしまいます。
あと、このお話では、心の病気に蝕まれてしまった人たちが出てきます。
人の心とは、実に繊細で微妙、そして強靭で絶妙にできているようです。
そして、ちょっとしたことにバランスを崩してしまい、二度と戻れなくなってしまう事もあるようです。
こんな難しいものを誰しもが抱え込んでいると思うとなんだか不思議なものですね。
何かを失い続けながらもこの世界で生きていかなくてはならないというのは辛いことですが、それを続ける事が、生きるという事なのでしょうか。
過去を大切にしている方、人間関係に悩みがある方、村上春樹さんのファンの方、におすすめです。