おばあちゃんが死んだら、まいに教えてあげますよ。
人は死んだらどうなるか、というお話。
突然ですが、僕はおばあちゃん子です。(僕の祖母は魔女ではありませんがw)
最後の数ページの展開が僕的には心に触れまくりの内容だったので、「これはズルイ!(良い意味で)」と友人に伝えてみたところ。
すでに既読だった彼から「いや、この話はあらゆるところがズルい(もちろんよい意味で)」という返答が。
言われてみると、たしかにそうかもしれません。
結末から考えると配置から設定、全部「ズルい」といえるかも。
主人公は中学生の女の子、まい。
まいは感受性が強い子供らしく、「扱いにくい子」であり「生きにくいタイプの子」のようです。
持病の喘息もあり、学校に行けなくなり、田舎暮らしの祖母の家に預けられることに。
この祖母とはイギリス人で、本人曰くのところの魔女である、と。
タイトルにある「西の魔女」とは、この、まいのおばあちゃんのことです。
まいと祖母が毎日を過ごすうち、「死んだらどうなるか」というようなことを祖母に問いかけます。
祖母曰く、「死後も魂は身体を離れて、旅を続ける」だそうです。
また、成長するということを拒否するまいへアドバイスをする祖母の言葉が印象的でした。
昔の人からあらゆることが伝承される、という解釈もよかったと思います。
「西の魔女」の言葉はどれも温かく、なんだかほっとします。
とはいえ、僕個人は死後の世界は信じていません。
バッテリーが切れて始動出来なくなった自動車のごとく、ある日意識がふっつり消えるものと思っています。
僕もある程度歳を重ね、死というものが着々近づいてきています。
今までは「そんなことないだろう」と思っていたものが、存外身近に迫っている気もしてなんだか突然怖くなったりする今日この頃です。
生きてるって?と思ったことがある方、おばあちゃんがいる方、魔女に知り合いがいる方、におすすめです。