「それでも花代子さんと同じ女学校に通いとうございました」
女性二人の語り合いのお話です。
「ゴシックホラー」と帯に書かれていたりしましたが、怖いお話ではありません。
舞台は一場で登場人物は二人のみ。
裕福な家庭に生まれ育った主人公と友人の二人の女性の。現在ではどちらも地位も富もある夫を持つ身の二人。
洒落た西洋風の客間で紅茶とお菓子を前に寛ぎながらの優雅な会話が続くお話。
明治から大正あたりと思われる時代背景で、このあたりの雰囲気の好きな自分としてはなかなか楽しく読むことができました。
内容はさておき、時代背景や舞台は、かのお友達向けであるなぁ、などと思ってみたり。
正直なところ、お話の進み具合がだいぶ冗長なところがありまして、読んでいて途中でちょっとだけげんなりしてしまいました。
短気な自分としては「で、どうなったのさ?」などと思うこともしばしば。
これは一冊全部使うのではなくて、短編だったら面白かったかもしれません。
岩井志麻子さんの本を読んだのはこの本がはじめてです。
この本を読み終えてから、【ぼっけえ、きょうてえ】を読んだりしてますが、恐ろしいお話を書く人であります。
過去を思い出してお話しすることが多い方、過去の記憶に不安がある方、岩井志麻子さんのファンの方におすすめです。