===========================================================
□ 著書名    【ファースト・プライオリティー】
-----------------------------------------------------------
□ ジャンル   短編集
-----------------------------------------------------------
□ 著者      山本 文緒
-----------------------------------------------------------
□ 出版社     幻冬舎  2002.09.25発行  373ページ
         ISBN4-344-00229-6   1600円(税別)
===========================================================

私は特に変わった人間ではないが、しかし、誰にもゆずれないものがある…。

英語が苦手な僕でも知っている単語、Priority。
31歳の女性、31通りの「最優先事項」をテーマにした作品です。

誰にでも一番大切に思い、何よりも優先したい、という事はあると思います。
もちろん、僕にもあります。
このお話に出てくる主人公たちも、何かしらの最優先事項を抱えて暮らしています。

「日々はもどかしいものだと思う。今日もまた虚しさを胸に、私は生きる。
 毎夜のように大きな不安の塊が襲ってくる。
 私は特に変わった人間ではないが、しかし、誰にもゆずれないものがある…。」

なるほど、たしかにその通りですね。
女性読者から共感を集めるという話ですが、男の僕が読んでも興味深いお話でした。
描かれるお話によっては年齢的なものもあるかもしれませんが、どれもこれも共感できるものでした。

書き下ろしの、最後の「小説」を読んで、「なるほど」と思いました。

ところで、自分も好きな「車」が題になったお話もあります。
内容はいかがなものかと思ってしまいました。
いや、そういう人生もあるかもしれない、とは思いますが。
 
 

最優先事項をお持ちの方、最優先事項を持っていない方、山本文緒さんのファンの方、におすすめです。
 

(「本のお話」に戻る)

(トップページに戻る)


Copyright(C) Nobuhiko Takano 2002