私は特に変わった人間ではないが、しかし、誰にもゆずれないものがある…。
英語が苦手な僕でも知っている単語、Priority。
31歳の女性、31通りの「最優先事項」をテーマにした作品です。
誰にでも一番大切に思い、何よりも優先したい、という事はあると思います。
もちろん、僕にもあります。
このお話に出てくる主人公たちも、何かしらの最優先事項を抱えて暮らしています。
「日々はもどかしいものだと思う。今日もまた虚しさを胸に、私は生きる。
毎夜のように大きな不安の塊が襲ってくる。
私は特に変わった人間ではないが、しかし、誰にもゆずれないものがある…。」
なるほど、たしかにその通りですね。
女性読者から共感を集めるという話ですが、男の僕が読んでも興味深いお話でした。
描かれるお話によっては年齢的なものもあるかもしれませんが、どれもこれも共感できるものでした。
書き下ろしの、最後の「小説」を読んで、「なるほど」と思いました。
ところで、自分も好きな「車」が題になったお話もあります。
内容はいかがなものかと思ってしまいました。
いや、そういう人生もあるかもしれない、とは思いますが。
最優先事項をお持ちの方、最優先事項を持っていない方、山本文緒さんのファンの方、におすすめです。