毎日するどのようなことも、あるようなないようなである。
まさしく題名の如く、あるような、ないような、お話です。
最初にお断りを入れますが、日本語的に「あるようなないような」の意味が解らない、とおっしゃる方はこの本を読まないほうが吉だと思います。
(僕の文庫本を覗き込んで、しばらく読んだ後にそうおっしゃった方がおられたので、あえて注記しておきます。
その実、僕もすべてを解っているわけでもありませんし、そんな事よりも国語として、読む人の数だけ答えがあってもよい、と思います)
中身のほどは、短編といいますか、川上さん自身の日常が綴られています。
かの方の作品通り、なかなか楽しい日常を過ごしておられるようです。
素直に笑えるものや、ちょっと考え込んでしまうもの。
いろいろな面が見えます。
偶然同じくらいの時期に読まれたであろう、ある方が、
>作者の言葉を借りれば、すごく"しみこんでくる"文章で、なんだか私は少し戸惑っている。
…と言っておられましたが、まさしくその通り。
僕はこの一行を読んだ後、これ以上何もいう事がなくなってしまいました。
日常に飽き飽きしている方、川上弘美さんの日常が知りたい方、川上弘美さんのファンの方、におすすめです。