だから、わたしたち、ひみつのともだちなんじゃないですか。
オオカミとヤギの友情物語。
嵐の夜に、真っ暗な小屋で出会った二匹の動物が、仲良くなって意気投合します。
カゼを引いていて、お互いの声もよくわからず、お互いの正体もわからぬままだったのですが、次の機会に会ってみたらオオカミとヤギ。
食うものと食われるものの関係の両者です。
お互いは仲良くなりますが、お互いの仲間はそれを良しとしません。
オオカミ側は「食べる対象」と仲良いなんておかしい、と言うし、ヤギ側は「食べられる相手と仲良しはおかしい」と。
群れからはぐれることになった二匹は…。
ところでこの本は最初、「あらしのよるに」のみで終わる予定だったとか。
反響が多かったらしく、続いて「あるはれたひに」「くものきれまに」「きりのなかで」「どしゃぶりのひに」「ふぶきのあした」と完結まで作られたそうです。
どの本で終わってもそれなりの結末にも思えるような気がします。
絵本というのは突然の幕切れが多いものです。
完結すると言っても「ふぶきのあした」の続きもできそうです。
続きは読者の想像に、という事でしょうか。
ハッピーエンドのみがシアワセではない、と最近思う僕としてはこの幕切れには賛成なのですが。
NHKのテレビ絵本という番組でもやっていました。
つい最近も朝に再放送が入っているので、ビデオに録画してまで見ていた次第。
これは現在放送している、大河ドラマ「新撰組!」の捨助役の中村獅堂さんが一人芝居をしていまして。
「新撰組!」の捨助は割と情けない役なのですが、このテレビ絵本を見て、印象が変わりました。
(話は大幅にそれますが、丹下左膳もちょっと期待です)
なかなか芸達者な方だなぁ、と感心しつつ。
命をかけて守る友達がいる方、お友達がいない方、童話がお好きな方、におすすめです。